
リサイクルとは大きく、マテリアルリサイクル(素材としての再利用)とサーマルリサイクル(熱としての再利用)に区分されています。
現代のリサイクルは、主に政治的、経済的目的のための「商標」としての役割が強く、現状としてはメーカーは赤字に転じることが多いので、世間で認識されているほど行われていません。また、ほぼ全てのリサイクルは環境にいいわけではなく、「リサイクル=環境に優しい」とは限らないのです。
リサイクルを行う際での課題として、回収時の不純物の問題、リサイクルを行う際にかかるエネルギーの問題、リサイクルを何度も行うことによる不純物の濃縮の問題などが挙げられます。
・回収時の不純物
空き缶中の吸い殻、古紙中ラミネートなど、純度を下げるものが回収物の中に入ってしまう事により品質が落ちる問題
・リサイクルのエネルギー
リサイクルすること自体にエネルギーがかかります。一度原料のレベルにまで分解するという過程を経るため、場合によっては焼却処分以上にコストとエネルギーを余計に使う場合もあります。
・リサイクルの不純物
たとえば鉄のリサイクルでは、不純物元素濃度がリサイクルのたびに上昇します。
・プロダクトリサイクル・・・再生利用
・マテリアルリサイクル・・・材料・製品への再資源化
・サーマルリサイクル・・・燃料化
約20%が材料リサイクルされ他の製品の原料となっています(オープンリサイクル)。リサイクル本来の意味です「再循環」が行われるクローズドリサイクルはわずか1%にすぎません。
社会に蓄積された鉄鋼約12億6千万トンの鉄が循環していて、転炉法と電炉法によりリサイクルが大規模に行われています。「日本の鉄鋼循環図」として、鉄のマテリアルフローが図で追いかけられています。また2005年度の日本のスチール缶リサイクル率は過去最高の88.7%となり、世界一を継続しています。
回収した紙は古紙として再び紙の原料となりトイレットペーパー、段ボール、白板紙の原料となる場合が多いですが、最近は新聞や雑誌を含む紙製品の多くに「この商品は再生紙を使用しています。(あるいは「しました。」)、R=○○」という注釈が書かれています(R=古紙パルプ配合率)。
同じ紙であっても、品質が高いものから低いものにされる場合、厳密にはリサイクルではなく、カスケード利用に分類されています。牛乳パックはバージンパルプ(リサイクル素材を含まないパルプ)から作成されていて繊維の品質が高いものとして流通されていますが、回収された古紙はトイレットペーパーや板紙といったものに加工されていて、有効に利用されることが多いです。
用途に特化した紙が作られるようになるにつれ、感熱紙を始めとしてリサイクル上の問題となる禁忌品が増えており問題視されています。また、シュレッダーで処理された紙は、用途によってはパルプ繊維が切り刻まれているため再生には不利になります。
日本の新聞紙は全体で800万-1000万部、割合にして1割前後が消費者へ流通されることなく販売店からそのままリサイクルにまわされています。古紙回収率が高い一因でもあります。また、段ボールは器包装リサイクル法の除外ですが、リサイクル率は100%を超えています。これは海外からの梱包による持ち込み分が、日本のリサイクルルートにのるからであります。
また、古紙利用率自体も9割を超えている。ラミネート等リサイクルが困難なものもありますが、徐々に段ボールにもリサイクルマークが浸透してきています。
グリーン購入法においては白色度と古紙配合率70%以上の規定があります。政府や自治体が調達する紙物品を100%再生紙と指定していることが多いですが、紙は100%古紙で生産し続けることは不可能であり用途によって配合率を決めることが望ましいです。再生紙を作る工程において必要以上に石化エネルギーを消費している紙はトータルとして決して地球環境にいい商品とはいえません。
最近では紙を作るために熱帯雨林や天然林を伐採することなく、遊休牧地や荒廃地にユーカリ・アカシアを植林したものをチップ輸入してパルプから作られた紙が大半を占めています。このような管理された持続可能な森林から生産された木材チップを使用したバージンパルプから作られた紙についても、グリーン購入ネットワークでは「印刷・情報用紙」ガイドラインに明記しています。
中国などにおける需要増による古紙の高騰、脱色工程の手間と設備コストなどにより、バージンパルプ紙と同様に使用可能な高品質の再生紙の製造はメーカーにとって負担が大きいが、そうした事情が消費者に十分理解されているとは言い難く、販売価格に上乗せする事も容易ではありません。
2008年初頭には、多くの大手製紙メーカーが再生紙の古紙配合率を偽装表示していた事が発覚し、「リサイクルの優等生」と言われていた古紙リサイクルの構造的な問題が浮き彫りとなっています。
アルミニウムは、地金を新造する際に「電気の缶詰」といわれるほど電気を消費するが、再精錬する場合には新造時の約3%のエネルギーしか電気を要しないためリサイクルの優等生と言われています。
ただしこれはあくまで純粋なアルミニウムだけを再精錬した時の概算値・理論値であり、ほとんどの場合は不純物を含んでいるため実際に消費するエネルギーはこの値より大幅に上昇します。
また、融解時には空気中の窒素と反応して窒化アルミニウムAlNとして一部が失われます。
・2Al+N2→2AlN
この窒化物は融解時にるつぼの表面に浮かぶので捨てられるが、空気中の水分と徐々に反応してアンモニアを生じます。
・AlN+3H2O→Al(OH)3+NH3
また、プルトップ部分は剛性を持たせるため、マグネウムを加えた合金を使用しています。そのためリサイクル時にはそれを酸化して除かねばならず無駄が生じます。
アルミニウムで造られるアルミ缶は広く流通してて、かつ収集も容易なことから広くリサイクルのルートが整備されており、2004年度のアルミ缶リサイクル率は86.1%です。