
人件費は経費の中で最大の割合を持つ項目です。ほとんどの会社では、経費の半分近くが人件費にあたります。。社員一人の経費は、給料、厚生年金、健康保険等年間で莫大な費用がかかります。
だからこそ大企業では真っ先にリストラを行うのです。経費に締める割合が大きいからこそ、経費削減の効果も大きいのです。
しかし、人数がもともとしくない中小企業では大規模な人員削減をすることはできません。業績が苦しくなると、なんとか経費削減をしようとして、人件費に手をつけたくなる気持ちはわかりますが、大企業と中小企業の経営手法は違うことを忘れてはいけません。さらに、人件費は経費であるとともに売り上げを上げるための元手でもあるということです。
人と人の関係によって成り立っているのがビジネスです。経費削減のためにやたらと人件費を削ることは、逆に業績悪化を招くことにつながります。そこを充分に理解したうえ自社の人件費はどうあるべきか考えなくてはなりません。
人件費は当然経費なので、常に削減できる余地はないか考えることは大切ですが、対象が人間だということと、社員の意欲ある働きが、業績向上につながることを、常に念頭に置いておきましょう。
人件費削減を考えるには、業務内容、仕事の進め方、仕事の仕組みまで入り込んで考えなくてはいけません。表面上の数字だけを考えて、人件費削減を考えてはいけないのです。
直接人件費とは売り上げに直接関係ある部門の人件費です。営業マンや販売員の人件費でにあたります。直接人件費は間接人件費と違い少なければ言い訳ではありません。売り上げを直接上げる部門なので減らせば減らしたぶん、売り上げを上げる原資がなくなることになってきます。
かといって、増やせば増やしただけ売り上げが上がるわけではないので、人件費に投資しても売り上げが、思ったほど伸びずに、人件費を回収できなくて、人件費倒れする場合もあります。
ここで考えることは、自社の適正な直接人件費はいくらになるのか?ということです。間接人件費と同じように、同業他社と比較をおこないます。
直接人件費で大切な指標は、営業マン一人当たりの売上高です。一人当たりの売上高が平均より上ならば問題はありませんが、平均値よりも下は問題です。
工夫や改善、何らかの対策を打って平均値まで引きあげる必要があります。それには、営業マンを削減するか、売り上げを伸ばすか、のどちらかを選ぶしかありません。これは経営者が判断することですが、できることなら、直接人件費は売り上げを上げる元なので、営業マンの削除は避けたいところです。
直接人件費を考える場合は、削除することを考えるよりも、自社の状況の適正を重点に考えるべきです。
人件費は直接人件費と間接人件費に分けられます。直接人件費、間接人件費とは売り上げに直接関係があるかないかで分けた分け方です。
間接人件費とは、具体的には、経理部門や総務部門など内勤部門のことをいいます。間接部門は売り上げに直接関係がない部門のため、経営者の立場では真っ先に削除したい部分です。しかし0にすることはできないのです。間接部門でも業務遂行には、なくてはならないぶしょです。
考慮することは、「どこまで減らさなければいけないのか?」と「どこまで減らしても業務に支障がないか?」です。
まず、どこまでどこまで減らさなければならないか?は、同業他社と比較して考えることができる。他社が10億の売り上げで5人の間接人員で、自社が5億の売り上げで4人の間接人員なら、効率が悪いといえます。
こうして単位あたりの数字で分析して、業界平均と比べてみたり、他社と比べてみたりして、判断することができます。同業他社のデーターは、各地の商工会議所や、TKCという税理士の全国組織が毎年統計をとって出版しています。次にどこまで減らしても業務に支障がないか?
同業他社と比較して、間接人件費が平均値だった場合、平均値だから良しとしていたら、競合に勝つことができませんし、競合他社が平均値なら、自社はさらに効率化を目指して、業務の工夫や改善に取り組んで、さらに収益体質にしていくことが必要です。業界の平均が4人なら3人にできないか?考えることです。
まずはじっくりと経営者が、間接部門の仕事を観察することが大切になってきます。観察を続けて、改善できる部分や、無駄な動き、無駄な作業が発見されるかもしれませんし、こうして観察して発見できた問題点を整理して、現場の社員と議論して業務の改善に取り組むべきです。
パートタイマーとは1日8時間労働に会社で3時間とか4時間しか業務に従事しない従業員のことです。社員に比べて賃金が安く済み、また業務に応じて勤務時間を調整することができるので、必要な分の労働力を得やすいです。
しかしパートには法律上いろいろ制約があります。パートは言葉の通りパートタイムの労働者なので、正社員と同じ日数、同じ時間で労働した場合は法律上問題になる可能性がでてきます。
また単純作業なら任せられますが、責任のある仕事や正社員と同じ仕事は、パートの性格上、任せにくいことがあります。
パートの採用を考えるときには、自社の業務内容を事前によく整理して、あらかじめ、正社員の仕事とパートの仕事を区分した上で行ったほうが上手くいきます。さらにパートでも労働時間が長くなると、社会保険への加入義務が生じます。このことを忘れていると、経費がかさみ思ったほどの人件費削減の効果が得られない可能性もでてきます。
パートの活用は人件費削減に効果があるので、検討することはいいことです。ただしパートにもさまざまな制約があるため、トラブルにならないように、わからないことは、社会保険労務士などに事前に相談して対処しておくことが肝心です。